全建統一様式の入手方法と使い方|公式の購入先・無料テンプレートの注意点・様式ごとの提出先

「全建統一様式で出してください」と元請に言われて検索すると、Excelの無料配布サイトがいくつも出てきます。どれを使えばいいのか、公式はどこなのか、版が古いとどうなるのかが分からず、結局は前の現場で使ったファイルを使い回している会社が多いのが実情です。この記事では、一人親方・建築業・職人さんの事務代行を行っているマッセが、全建統一様式の公式の入手先、無料で手に入るものと有料のものの線引き、様式ごとに誰がいつ誰に出すのか、Excelで使うときの注意点を整理します。様式の一覧と各様式の役割は全建統一様式とは?安全書類の一覧と改訂のポイントで説明しているので、ここでは「手に入れて使う」ところに絞ります。

目次

全建統一様式の発行元と位置づけ

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発行しているのは一般社団法人全国建設業協会

全建統一様式は、一般社団法人全国建設業協会(全建)が建設現場の安全書類の共通書式として定めているものです。国や自治体が定めた法定様式ではなく、業界団体が「各社がばらばらの書式を使うと元請も下請も困る」という理由でまとめた標準書式です。多くの元請がこれを採用しているため、事実上の業界標準になっています。

法律が決めているのは「記載事項」、様式は決めていない

施工体制台帳・施工体系図・再下請負通知書・作業員名簿は建設業法と施行規則で記載事項が決まっていますが、様式は決まっていません。記載事項を満たしていれば、全建統一様式でも自社様式でもシステム出力でも構わない、というのが法律の立場です。元請が全建統一様式を指定するのは、集まった書類の形を揃えるためです。

改訂される書式なので「版」を意識する

全建統一様式は法令改正や制度変更に合わせて改訂されています。外国人の在留資格に関する欄の見直しや、押印欄の整理、化学物質管理に関する責任者欄の追加など、改訂のたびに項目が増減します。どの版が最新かは全建の公式サイトで確認してください。この記事では、特定の版の番号には触れず、「手元のファイルが最新かどうかを確かめる」ことをすすめます。

公式の入手先|全建の様式集と記載例

公式に入手する方法は、全国建設業協会が頒布している書籍を購入することです。無料ダウンロードの公式案内はありません。

「様式集(届出書)」と「記載例及び解説」の2冊

全建が頒布しているのは、様式そのものを綴じた様式集と、各様式の書き方を説明した記載例及び解説の2種類です。様式集だけでも書類は作れますが、欄ごとの考え方(例えば保険の欄に何を書いて何を書かないか)は解説のほうに載っているので、初めて揃える会社は2冊セットで持っておくと迷いが減ります。価格は数百円から千円台で、全建の書籍販売ページから申し込めます。

書籍は紙なので、Excelは自分で用意することになる

公式の様式集は紙の冊子です。手書きで使うか、コピーして使う前提になっています。実務ではExcelで入力したい会社が大半なので、「公式の紙で項目を確かめ、Excelは別で用意する」という組み合わせになります。このときに、無料配布のExcelをどう選ぶかが次の話です。

労務安全関係の書籍にも様式が収録されている

建設業の労務安全に関する年度版の書籍(建設労務安全研究会の編集によるものなど)には、全建統一様式とその解説が収録されているものがあります。関係法令の解説と一緒に手元に置きたい会社は、こうした書籍から入る方法もあります。収録されている様式の版は書籍の発行時点のものなので、購入時に確認してください。

無料で手に入るもの|使ってよいもの・注意がいるもの

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ネット上には全建統一様式の名前が付いたExcelが数多くあります。出どころで3つに分けると判断しやすくなります。

種類配布元の例使ってよいか
国の作成例・参考様式国土交通省(作業員名簿の作成例)、建設キャリアアップシステム(参考様式)、地方整備局(施工体制台帳・施工体系図の作成例)法令上の記載事項を満たしているので使える。全建統一様式そのものではない
元請が配布する様式ゼネコン・元請各社のダウンロードページその元請の現場では指定様式として使う。他の元請には流用しない
民間サイトの再配布Excel業界サイト、ソフト会社、個人サイト全建統一様式に準拠して作られた非公式版。版と項目を公式の紙と照合してから使う

国土交通省の作業員名簿の作成例は無料で公式

国土交通省は、施工体制台帳の記載事項に作業員名簿が加わったことを受けて、作業員名簿の作成例(Excel)を公開しています。法令上必要な項目を満たしていて、同省は作成例以外の様式でも記載事項が網羅されていればよいと説明しています。全建統一様式の作業員名簿とは欄の構成が違いますが、元請が様式を指定していない現場ではこれで足ります。詳しくは作業員名簿のテンプレート|無料で使える様式と法律で必須の項目をご覧ください。

地方整備局の施工体制台帳・施工体系図の作成例

国土交通省の各地方整備局は、公共工事の受注者向けに施工体制台帳や施工体系図の作成例、記載要領を公開しています。公共工事を受注する会社は、全建統一様式より先に発注者である整備局や自治体の示す様式・要領を確認してください。自治体によっては独自の様式を指定しています。

民間サイトのExcelは「版」と「欄」を公式と照合する

民間サイトの再配布Excelは便利ですが、古い版のまま更新されていないものが混ざっています。削除されたはずの欄が残っている、追加された責任者の欄がない、押印欄が残っている、といった状態です。使う前に、公式の様式集と欄を1つずつ見比べ、違いがあれば直します。出どころが分からないファイルにマクロが入っている場合は、安全面からも使わないほうがよいです。

グリーンサイト・Buildee・Greenfile.workは様式を内蔵している

元請がグリーンサイト、Buildee(ビルディー)、Greenfile.workを採用している現場では、下請が会社・作業員・資格・保険の情報を登録すると、システムが全建統一様式に準じた書類を出力します。この場合、下請がExcelの様式を用意する必要はありません。システムごとの違いはビルディーとグリーンサイトの違いとグリーンファイルのログイン方法と使い方で説明しています。

様式ごとに「誰が・いつ・誰に」出すか

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様式を手に入れても、どれを自社が出すのかが分からないと使えません。下請の立場で、主な様式の提出者・タイミング・提出先を表にします。元請の運用で前後することがあるので、提出書類一覧と合わせて見てください。

様式作成する人出すタイミング提出先
再下請負通知書(変更届)下請を使う各下請再下請負契約後すぐ、入場前直近上位を経由して元請
下請負業者編成表一次下請体制が決まった時点元請
施工体制台帳作成建設工事の通知元請契約時一次下請(現場にも掲示)
施工体制台帳元請下請契約後、随時更新現場に備置き(公共は発注者に写し)
工事作業所災害防止協議会兼施工体系図元請台帳作成後、随時更新現場に掲示
作業員名簿各下請入場前直近上位を経由して元請
工事安全衛生計画書各下請入場前元請
新規入場時等教育実施報告書各下請新規入場時(当日〜翌日)元請
安全ミーティング報告書各下請毎日元請
移動式クレーン・車両系建設機械等使用届機械を持ち込む下請使用前元請
持込機械等使用届(参考様式)電動工具等を持ち込む下請使用前元請
火気使用願(参考様式)火気を使う下請使用前(通常は前日まで)元請

一人親方が実際に出すのは4〜5種類

一人親方が下請として入る場合、作業員名簿、新規入場時等教育実施報告書、持込機械等使用届が基本で、自分がさらに誰かに仕事を出すなら再下請負通知書、火気を使うなら火気使用願が加わります。施工体制台帳や施工体系図は元請が作るので、一人親方が様式を用意する必要はありません。

「入場前」の様式は契約と同時に動かす

表の中で「入場前」とある様式は、間に合わなければ職人が現場に入れません。契約が決まった時点で作業員名簿と安全衛生計画書に着手し、入場日の数日前には出し終えておくのが実務の目安です。元請が「○営業日前まで」と期限を決めている場合はそれに従います。

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Excelで使うときの実務の注意点

様式を手に入れてExcelで運用するときに、事務代行の現場でよく直している点をまとめます。

会社情報は1か所のマスターから参照させる

商号・住所・許可番号・保険の加入状況・責任者名は、ほぼすべての様式に出てきます。様式ごとに手入力すると、許可の更新で番号が変わったときに直し漏れが起きます。1つのシートに会社情報をまとめ、各様式はそこを参照する形にしておくと、1か所直せば全様式に反映されます。

押印欄は元請の指示に合わせる

様式の改訂で押印欄は整理される方向にありますが、元請によっては社判や代表者印を求める運用が残っています。押印欄のないExcelを使っていて元請から押印を求められたら、元請指定の様式に切り替えるか、余白に押すかを元請に確認します。自己判断で欄を足したり消したりしないほうが安全です。

番号を書く欄と書かない欄を社内で共有する

作業員名簿の保険欄は、健康保険と年金は名称のみ、雇用保険は被保険者番号の下4桁のみ、という書き方です。Excelに番号の全桁を入れてしまうと個人情報の扱いの問題になります。入力する人が代わっても同じ書き方になるよう、記入ルールをファイルの中に注記しておきます。

元請ごとに様式が違うなら、元請別にフォルダを分ける

A社は全建統一様式のExcel、B社はグリーンサイト、C社は独自様式、という状態は珍しくありません。1つのフォルダに混ぜると、別の元請の様式を間違って出す事故が起きます。元請ごとにフォルダを分け、指定様式のファイルだけを置いておきます。

古い版を使い続けると起きること

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元請から出し直しを求められる

いちばん多いのは、元請の担当者が「欄が違う」と気づいて差し戻すケースです。削除された欄に記入してあったり、追加された欄が空いていたりすると、担当者は最新版での再提出を求めます。1枚の出し直しで済めばよいのですが、作業員全員分の名簿を書き直すことになると半日仕事です。

法令で必要になった項目が抜ける

様式の改訂は、法令や制度の変更に合わせて行われます。古い版には、改正で必要になった項目(例えば化学物質管理に関する責任者の欄)がありません。様式が古いまま提出すると、元請側の法令対応に穴が開くので、元請は最新版を求めます。

年に1回、版の確認を予定に入れる

改訂は毎年あるわけではありませんが、いつあるかも分かりません。年度初めなど決まった時期に全建の公式サイトを見て、手元のファイルの版と比べる習慣をつけておくと、気づかないまま古い版を使い続けることを防げます。

よくある質問(FAQ)

Q. 全建統一様式は無料でダウンロードできますか?

A. 全国建設業協会の公式サイトに無料ダウンロードの案内はありません。公式に入手するには様式集の書籍を購入します。ネット上の無料Excelは民間の再配布版か、国土交通省などの作成例です。

Q. 国土交通省の作成例と全建統一様式はどちらを使えばいいですか?

A. 元請が指定していればその様式です。指定がなければどちらでも法令上は問題ありません。元請に提出する書類は全建統一様式を求められることが多いので、迷ったら元請に確認してください。

Q. 自社でExcelの様式を作ってもいいですか?

A. 法令上の記載事項を満たしていれば構いません。ただし元請が全建統一様式を指定している現場では、自社様式は受け付けられないことがあります。自社様式を作るなら、公式の様式集の欄をそのまま再現する形にしておくと汎用性が高いです。

Q. グリーンサイトの現場でも紙の全建統一様式は必要ですか?

A. 原則として不要です。システム上の入力と提出で完結します。ただし元請によっては一部の書類(火気使用願など)を紙で求めることがあるので、提出書類一覧で確認してください。

Q. 手元のExcelが最新版かどうかはどう確かめますか?

A. 全建の公式サイトで最新の版と改訂点を確認し、手元のファイルの欄と見比べます。改訂で削除された欄が残っている、追加された欄がない、という違いがあれば古い版です。

Q. 参考様式と様式第○号は何が違いますか?

A. 様式第○号は全建統一様式の本体で、参考様式は本体を補う書式(作業間連絡調整書、持込機械等使用届、火気使用願など)です。どちらも元請が指定すれば提出対象になります。

まとめ|公式で項目を確かめ、Excelは照合してから使う

全建統一様式は全国建設業協会が頒布する業界標準の書式で、公式の入手先は協会の様式集と記載例の書籍です。無料のExcelは国土交通省などの作成例と民間の再配布版があり、再配布版は版と欄を公式と照合してから使います。元請がグリーンサイト・Buildee・Greenfile.workを使う現場では、様式はシステムが出すのでExcelは不要です。様式ごとに作成者・タイミング・提出先が決まっているので、入場前の書類は契約と同時に動かし、会社情報はマスター化して転記ミスを防ぎます。

様式を揃えても、元請ごとに形式が違う現場を掛け持ちすると管理が追いつかなくなります。マッセでは建設業の書類作成代行として、全建統一様式・元請指定様式の作成をLINEのやり取りでお手伝いしています。施工体制台帳まわりの書類、グリーンサイト・Buildeeの登録代行、Greenfile.workのグリーンファイル代行にも対応し、月額プランは基本プラン(作業員3名まで込み)で月額30,000円〜(税別)です。くわしくはサービス・料金をご覧ください。なお、様式の版や入手方法は変わることがあります。最新の内容は全国建設業協会の公式サイトでご確認ください。

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