工事台帳のExcel管理に限界を感じたら|クラウド化で変わる5つのこと

※本記事にはプロモーション(紹介パートナー契約に基づくサービス紹介)が含まれます。

「工事台帳はExcelで十分」と言えるのは、年間の工事が数件で、見積から請求まで社長がひとりで回しているうちだけです。現場が増え、職人や事務の人が加わった途端に、案件ごとの利益が見えない、同じ数字を何度も打ち直す、担当者が辞めるとファイルの中身がわからない、という壁に当たります。この記事では、工事台帳の役割をおさらいしたうえで、Excel管理で実際に起きている問題、クラウド化で変わること、小規模な工事会社がシステムを選ぶときの条件を、事務代行の現場で見てきた実例をもとに整理します。

Apple MacBook beside computer mouse on table
Photo by Luca Bravo on Unsplash
目次

工事台帳とは何か。小規模でも「ないと困る」帳簿

工事台帳は、工事1件ごとに契約内容・原価・請求・入金を記録し、案件単位の損益を把握するための帳簿です。「原価台帳」「工事別台帳」など呼び方は会社によって違いますが、中身は同じで、見積・契約・発注・請求・入金・原価を1本の工事に紐づけて管理します。

工事台帳に書く主な項目

  • 工事名、工事現場の所在地、注文者(元請)、契約日、請負代金額、工期(着工日・完成日)
  • 見積金額と実行予算
  • 外注費・材料費・労務費・経費などの原価の明細
  • 請求日・請求額・入金日・入金額
  • 追加変更工事の内容と金額

項目はこれだけですが、「1件の工事に関わる数字がすべて1か所にそろっている」ことが工事台帳の価値です。見積は見積書のファイル、請求は請求書の控え、原価は仕入先の請求書と、バラバラに保管しているだけでは台帳とは呼べません。

建設業法の「帳簿」との関係

建設業法第40条の3では、建設業者は営業所ごとに営業に関する帳簿を備え、保存することが義務づけられています。記載事項は建設業法施行規則で定められており、請け負った工事の名称と現場の所在地、注文者との契約日、注文者の商号や住所、請負代金の額などが含まれます。保存期間は5年で、発注者から直接請け負った住宅新築工事に関するものは10年です。

この帳簿に求められる項目は、工事台帳の項目とほぼ重なります。工事台帳をきちんと付けていれば、法定の帳簿もそのまま整うということです。

経審・決算・税務での使われ方

経営事項審査(経審)を受ける会社は、完成工事高や工事経歴書を工事ごとの売上から積み上げます。決算では、期末時点で完成していない工事の原価(未成工事支出金)と完成工事原価を分ける必要があり、ここも工事台帳がなければ決まりません。税理士から「この外注費はどの工事の分ですか」と聞かれて答えに詰まるのは、工事台帳が機能していない会社の典型です。

office desk with smartphone and financial charts
Photo by Jakub Żerdzicki on Unsplash

Excelの工事台帳で起きる5つの問題

ご相談いただく工事会社のほとんどが、最初はExcelで工事台帳を作っています。私たちがその台帳を引き継いで事務を代行するなかで、繰り返し出てくる問題が5つあります。

1. 案件ごとの利益が見えない

一番多いのがこれです。見積は見積ソフトやExcelの別ファイル、請求は請求書のテンプレート、原価は会計ソフトか手書きの伝票、と入り口が分かれているため、「A工事でいくら儲かったか」を知るには、誰かが手作業で突き合わせなければなりません。結果として、終わった工事の粗利を知るのは決算のあとです。赤字になりかけている現場に途中で気づいて手を打つ、ということができません。

2. 同じ数字を3回入力している

見積書に書いた金額を実行予算に転記し、請求書に転記し、台帳に転記する。この3回の転記が、入力ミスと「台帳の更新忘れ」の源です。追加工事で金額が変わったのに台帳だけ古いまま、というケースは非常に多く、そのまま請求漏れにつながります。

3. 担当者が辞めると誰も触れない

Excelの工事台帳は、作った人の頭のなかにあるルールで動いています。シートの関数、色分けの意味、どの列が確定でどの列が見込みなのか。事務担当が退職したとき、後任がそのファイルを開いても何が正しい数字かわからず、結局ゼロから作り直した会社を何社も見てきました。

4. 請求漏れと追加工事の取りこぼし

現場で口頭合意した追加工事が台帳に乗らず、請求もされないまま工事が終わる。あとから元請に「その追加は聞いていない」と言われて泣く。これはExcelが悪いのではなく、現場の情報が事務所のファイルに届くまでにタイムラグがあることが原因です。入力できるのが事務所のパソコンだけである限り、構造的に起こり続けます。

5. 決算前の集計地獄

期末が近づくと、税理士に渡すために工事ごとの売上・原価・入金を1年分まとめます。請求書の控え、仕入先の請求書、外注先の請求書を1件ずつ工事に割り振り、Excelの台帳と照合する作業で、社長や奥様が毎年数日を潰している会社は珍しくありません。

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Photo by Valerie V on Unsplash

クラウド化で変わる5つのこと

クラウド型の工事管理システムに移すと、台帳の見た目が変わるというより、「数字が入ってくる経路」が変わります。小規模な工事会社で実感しやすい変化を5つ挙げます。

1. 入力が一度で済む

見積を作ると、その金額が案件に紐づきます。実行予算を立てる、発注する、請求書を出す、原価を登録する。これらがすべて同じ案件の下に入っていくので、転記という作業そのものが消えます。工事台帳は「作る」ものではなく、日々の入力の結果として「できている」ものになります。

2. 案件ごとの粗利が工事中に見える

発注や仕入を登録した時点で、実行予算に対してどれだけ使ったかが出ます。「この現場、外注費が予算を超えそうだ」と工事の途中で気づけるのが、Excelとの決定的な違いです。終わってから赤字を知るのと、途中で手を打てるのとでは、同じ数字でも意味がまったく違います。

3. 現場からスマホで入力できる

日報、写真、追加工事のメモを、現場にいる職長がその場でスマホから入れられます。事務所に戻ってから思い出して書く、という工程がなくなるので、追加工事の取りこぼしが減ります。台帳の精度は、入力する場所が現場に近いほど上がります。

4. 社長が見たいときに自分で見られる

「今月の入金予定はいくらか」「来月着工の現場の予算は組んであるか」を、事務担当に聞かなくても自分の端末で確認できます。事務担当が休みの日にはファイルが開けない、という状況もなくなります。

5. 決算・経審の資料が集計済みで出てくる

工事ごとの売上・原価・入金が常に紐づいているので、期末に1年分を突き合わせる作業がなくなります。完成工事と未成工事の区分も、案件の進捗を基に整理できます。税理士に渡す資料を作る時間が数日から数時間に縮むのが、実感としていちばん大きい変化です。

比較項目Excelの工事台帳クラウド工事管理
入力見積・請求・原価を別々に転記案件ごとに一度入力すれば連動
利益の把握完工後、または決算後工事中に随時
現場からの入力事務所のパソコンのみスマホ・タブレットから
担当者の交代作った人以外は触れない画面と項目が共通
決算・経審の準備期末にまとめて突き合わせ常時集計済み
費用ソフト代はほぼ0円、人件費で払う月額費用がかかる

小規模な工事会社がクラウド工事管理を選ぶときの3つの条件

クラウド型の工事管理システムは数が多く、大手ゼネコン向けから一人親方向けまで幅があります。従業員が数人から20人程度の工事会社が選ぶときに外せない条件は3つです。

月額が売上規模に見合っているか

大手向けのシステムは機能が豊富な反面、アカウント数や機能ごとに料金が積み上がる体系が多く、小規模な会社では割高になりがちです。たとえば業界で広く使われているANDPADは、公式サイトで利用社数27.9万社(2026年10月時点)と公表している実績の大きなサービスですが、料金は公式サイトからの問い合わせが前提です。従業員10人前後の会社なら、人数が増えても月額が大きく変わらない定額制で、初期費用がかからないものを軸に比較してください。

見積・実行予算・請求・原価が1本につながっているか

「現場管理」をうたうシステムでも、写真共有やチャットが中心で、見積や請求は別のソフトという製品があります。工事台帳の問題から抜けたいなら、見積から請求、原価までが同じ案件に紐づく製品でなければ意味がありません。デモや無料トライアルで、実際に見積を1本作って請求まで流してみるのが確実です。

スマホで現場から使えて、サポートが人であるか

職長が現場で日報と写真を入れられるか。これができないと、結局事務所で転記することになり、Excel時代と同じ構造に戻ります。もう一点、小規模な会社では導入時の初期設定(顧客・取引先・原価項目の登録)で止まりがちなので、電話やオンラインで人が対応してくれるサポートがあるかも確認しておきましょう。

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Photo by Jonathan Kemper on Unsplash

サクミルとは。小規模な工事会社向けのクラウド現場管理アプリ

ここまでの条件を満たすサービスとして、マッセが紹介パートナーとして取り扱っているのが「サクミル」です。以下の内容はすべて、2026年10月時点の公式サイトの記載に基づいています。

概要と料金

サクミルは、株式会社プレックス(東京都中央区)が運営する建設業向けのクラウド型現場管理・工事管理システムです。顧客管理、案件管理、見積管理、実行予算・原価管理、請求管理、作業日報、スケジュール、写真管理、ファイル管理、工事台帳、出面管理、発注・仕入管理の機能を備え、案件ごとに見積・原価・請求・日報のデータが連動します。新機能として、写真やチャットから見積を作成・修正できるAI見積も提供されています。

月額基本料9,800円(税別)、20アカウントまで
追加アカウント1アカウントあたり月額1,000円(税別)
初期費用0円
無料トライアル2ヶ月(期間終了後の自動課金なし)
機能制限追加料金なしで全機能が利用可能、機能アップデート無料
サポート専任サポート担当による導入支援・運用支援

20アカウントまで月額9,800円という料金は、職長や職人全員にアカウントを渡しても固定費が変わらないという意味で、小規模な工事会社に合っています。導入社数は3,000社以上、月間の新規導入は200社以上と公表されています。

導入事例に見える「Excelからの脱却」

公式サイトの導入事例には、各種設備工事のテクノ電業株式会社(事務工数30%削減)、リフォーム工事の株式会社ACT(Excel運用から脱却し、新規雇用が可能に)、給排水ポンプ工事の東立工業株式会社(FileMakerから移行し、情報の一元管理とコストダウンを両立)など、設備・リフォーム・電気通信系の会社が並んでいます。導入理由に紙やExcelからの脱却を挙げている会社が多いのは、この記事を読んでいる方と同じ悩みから入っているということです。

機能の詳細、画面のイメージ、無料トライアルの申込手順はサクミルの紹介ページにまとめています。

システムを入れても「入力する人」は要る。マッセとの併用という選択

ここは紹介パートナーとしてではなく、事務代行の立場で正直に書きます。クラウド工事管理を入れれば事務がゼロになる、というのは誤解です。転記は消えますが、顧客や取引先の初期登録、見積の作成、請求書の発行、仕入先から届く請求書の原価登録は、誰かが入力しなければ台帳に乗りません。社長が現場に出ている会社では、この「誰か」がいないまま導入し、数か月でExcelに戻ってしまうことがあります。

マッセが代行している事務

マッセは建設業に特化した事務代行で、グリーンサイトや各元請の安全書類(グリーンファイル)の作成・提出、CCUS(建設キャリアアップシステム)の事業者登録・技能者登録・現場登録、請求書の発行や経理の入力といった事務を、LINEでのやり取りで代行しています。料金やプランの詳細はマッセのサービス案内をご覧ください。

併用するときの役割分担

役割分担はシンプルです。現場の職長は、日報と写真、追加工事のメモをスマホからサクミルに入れる。社長は、見積の承認と実行予算の確認、粗利のチェックを自分の端末で行う。それ以外の入力、つまり顧客・取引先の登録、請求書の発行、仕入・外注の原価登録、そして安全書類やCCUSの手続きはマッセが引き受ける。こうすると、社内に事務担当を雇わなくても、工事台帳が毎日更新されている状態を維持できます。

two people shaking hands over a wooden table
Photo by Rock Staar on Unsplash

よくある質問

Q. 今あるExcelの工事台帳はどうなりますか?

進行中の案件は、新しいシステムに顧客・案件・見積・実行予算を登録し直す形になります。完工済みの過去案件まですべて移す必要はなく、法定の保存期間分はExcelのまま保管しておけば問題ありません。移行は「今日以降に着工する案件から」と区切るのが現実的です。

Q. 職人がスマホ操作に慣れていなくても使えますか?

日報と写真の投稿だけに絞れば、LINEで写真を送れる人なら使えます。最初から全機能を使わせようとせず、職長の仕事は「日報・写真・追加工事のメモ」の3つだけ、と決めてしまうのが定着のコツです。

Q. 会計ソフトは引き続き必要ですか?

必要です。工事管理システムは案件ごとの売上・原価・入金を管理するもので、決算書や申告書を作る会計ソフトの代わりではありません。工事管理側で整えた工事別の数字を会計ソフトに登録する、という流れになります。この登録作業もマッセで代行できます。

Q. 無料トライアルの途中でやめたら費用はかかりますか?

サクミルの2ヶ月無料トライアルは、公式サイトで自動課金なしと明記されています。トライアル期間が終わっても自動で有料プランに移ることはなく、続けるかどうかを決めてから契約する流れです。

サクミルの2ヶ月無料トライアルの申込相談は、サクミルの紹介ページから受け付けています。「自社の規模で採算が合うか」「今のExcel台帳からどう移すか」といった導入前の疑問にも、事務代行の立場からお答えします。

まとめ:工事台帳は「作る」ものから「できている」ものへ

Excelの工事台帳は、案件が少なく社長がひとりで回しているうちは十分に機能します。限界が来るのは、見積・請求・原価の入り口が分かれて転記が増え、案件ごとの利益が決算まで見えなくなったときです。クラウド型の工事管理に移すと、入力は一度で済み、粗利は工事中に見え、現場からスマホで台帳が更新され、決算・経審の資料は集計済みで出てきます。そしてシステムを入れても、入力する人は必要です。社内に事務担当を置けない会社は、サクミルで台帳を、マッセで入力と安全書類・CCUS・経理の事務を、という組み合わせも検討してみてください。

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