求人の給与の書き方|建設業の日給・月給・手当をどう見せるか

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建設業の求人で給与を書くときは、日給の金額だけでなく「1か月でいくらになるか」まで示してください。日給制は業界では当たり前でも、他業種から移ろうとしている人や、家計を一緒に見ている家族には月の収入が想像できません。金額を上げなくても、見せ方を変えるだけで応募が増えることはよくあります。この記事では、日給制の月収例の作り方、固定残業代の正しい書き方、手当の並べ方、昇給や賞与の書き方を解説します。

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日給だけの表記が、比較の土俵から外れる理由

「日給12,000円〜」とだけ書かれた求人を読んだ人は、頭のなかで月収を計算します。22日働けば264,000円、20日なら240,000円。しかし、雨で現場が流れる日があるのか、月に何日出られるのかが分からないので、低いほうで見積もります。結果として、実際には他社より条件がよくても、画面上では見劣りします。

求人サイトの検索は、月給の金額で絞り込まれることが多いのも理由のひとつです。月額の情報を入れていない求人は、条件での絞り込みから外れてしまい、そもそも表示されないことがあります。

月収例の作り方

月収例は、実際にいる人の実績から作ります。架空の好条件を並べると、入社後の不満につながり、早期離職の原因になります。

①実際の勤務日数を調べる

直近3か月の出面表から、職人1人あたりの平均稼働日数を出します。21日なのか23日なのかで、月収例は2万円以上変わります。繁忙期と閑散期で差が大きいなら、「月20〜23日稼働」と幅で書いてください。

②経験年数ごとに2〜3パターン出す

未経験から始めた人、3年目の人、職長クラスの人。この3つの月収例があると、読む側は自分の立ち位置から将来を想像できます。「未経験スタート:月収220,000円(日給11,000円×20日)」「経験3年:月収286,000円(日給13,000円×22日)」のように、計算式を添えると信頼されます。

③雨天時や閑散期の扱いを書く

日給制でいちばん不安なのがここです。雨の日は別現場や倉庫作業に回るのか、休みになるのか。休みになる場合に手当があるのか。正直に書いてください。「雨天時は資材整理や機材整備に入っていただくため、稼働日数が大きく減ることはありません」と書けるなら、それは強い訴求になります。

月給制にするなら、何が変わるか

月給制は、天候に左右されず収入が安定するため、未経験者や他業種からの転職者にとって分かりやすい形です。採用の間口を広げたいなら検討する価値があります。

一方で、会社側は閑散期も同じ額を払うことになります。常用で安定して現場がある会社なら問題になりにくく、工事量の波が大きい会社は負担になります。日給月給制(基本は日給で計算し、月単位で支払う)という中間の形もあるので、自社の工事量の波を見て決めてください。どの形にしても、求人票には計算の根拠が分かるように書くことが大切です。

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Photo by taro ohtani on Unsplash

固定残業代は3点セットで書く

固定残業代(みなし残業代)を含める場合は、次の3点をそろえて明示する必要があります。

  1. 固定残業代の金額(例:月30,000円)
  2. 何時間ぶんに相当するのか(例:時間外労働20時間分)
  3. その時間を超えた場合は別途支給すること

「月給280,000円(固定残業代含む)」という書き方は不十分です。「月給280,000円(基本給250,000円+固定残業代30,000円/時間外20時間分。超過分は別途支給)」のように分けて書いてください。金額を大きく見せるために残業代を混ぜると、入社後に「思っていた額と違う」となり、定着しません。

手当は「金額」と「条件」をセットで

建設業の求人でよく見る手当を、書き方の例とあわせて挙げます。

手当書き方の例
資格手当玉掛け3,000円/職長5,000円/1級施工管理技士20,000円(月額・複数所持は合算)
職長手当現場で職長を務めた日に1日1,000円
通勤・車両手当自家用車で現場へ向かう日は1日500円+高速代実費
皆勤手当月10,000円(遅刻・欠勤がない月)
資格取得支援受験料・講習費は会社負担(玉掛け、小型移動式クレーン、職長教育など)

「各種手当あり」とだけ書くと、ないのと同じです。金額と条件を書くと、入社後の収入が計算でき、資格を取る動機にもなります。資格取得支援は、未経験者を採りたい会社ほど効果があります。

昇給・賞与は、実績で書く

「昇給あり」「賞与あり(業績による)」は、ほとんどの求人に書いてあるため差になりません。次のように、実際の運用で書いてください。

  • 昇給:年1回(4月)。前年度は在籍者8名中7名が日給500円〜1,000円アップ
  • 賞与:年2回(7月・12月)。昨年度実績は合計で月給1.5か月分
  • 評価の基準:資格の取得、職長として現場を回せるか、後輩の指導

実績がない年があるなら、無理に書かないほうがよいです。賞与が出せていない年があるなら「業績に応じて支給(昨年度は年1回支給)」のように事実を書きます。嘘にならない範囲で具体的に書くことが、結果的にいちばん強い訴求になります。

社会保険と法定福利は、給与の一部として書く

手取りの話をするとき、保険料の負担は必ず話題になります。とくに、一人親方として働いてきた方を社員として迎える場合、国民健康保険・国民年金から健康保険・厚生年金に変わるため、毎月引かれる金額が変わります。ここを求人票で触れておくと、面接での説明が楽になります。

書き方としては、「健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険に加入(保険料の半分は会社負担)」のように、会社が負担している事実まで書きます。さらに、建設業退職金共済(建退共)に加入しているなら、それも書いてください。働いた日数に応じて掛金を積み立てる制度で、将来受け取る金額につながります。金額に換算されにくい部分ですが、家族が求人を読むときには効いてきます。

元請から社会保険の加入状況を確認される場面も増えています。採用のためだけでなく、現場に入るための条件としても重要になってきている部分です。詳しくは社会保険の加入と採用で解説します。

よくある書き方の失敗

上限だけを見出しに出す

「月収50万円可!」のように、ごく一部の人しか到達していない金額を前面に出すと、応募は増えても面接でのギャップが大きくなります。到達している人の条件(職長として現場を任せている、特定の資格を持っている、繁忙期の残業を含む)を併記できないなら、その金額は出さないほうが結果的に採用につながります。

手当を全部まとめて「各種手当あり」

読む側は金額を計算できないため、ないものとして扱われます。3つでもいいので、金額と条件を書いてください。

日給と月給を混ぜて書く

「日給12,000円〜(月給制の場合あり)」のような書き方は、どちらで雇われるのか分かりません。雇用形態ごとに求人を分けるか、適用の条件(経験3年以上は月給制を選択可、など)を明記してください。

支払日と締め日を書かない

意外と見られている項目です。「月末締め・翌月15日払い」と書いてあると、転職時の家計の計画が立てられます。日払いや週払いに対応しているなら、それも強い訴求になります。

書いたあとの確認

給与の記載は、実際の労働条件と一致している必要があります。公開前に次を確認してください。

  • 月収例が、実際にその金額を得ている人の実績に基づいているか
  • 固定残業代の金額・時間数・超過分の扱いが書かれているか
  • 最低賃金を下回っていないか(日給を所定労働時間で割って確認)
  • 求人票の金額と、採用時に提示する労働条件通知書の金額が一致するか

使えない表現の線引きは求人票で使えない表現に、原稿全体の組み立ては求人原稿の書き方にまとめています。

給与の見せ方を整えても応募が増えないときは、そもそも求人が表示されていない可能性があります。マッセは建設・建築業専門の求人サイト「GATEN職」の正規代理店として、掲載のご相談と求人原稿のたたき台づくりをお引き受けしています。詳しくはGATEN職の掲載相談ページをご覧ください。

よくある質問

Q. 給与の幅は広く取ったほうがいいですか?

広すぎると不信感につながります。「日給10,000円〜25,000円」のような幅は、読む側に「自分は下限だろう」と思わせます。経験年数ごとに区切って示すほうが伝わります。上限を見せたい場合は、その金額の人がどんな役割なのか(職長として現場を任せている、特定の資格を持っている)を添えてください。

Q. 試用期間中は給与を下げてもいいですか?

試用期間中に本採用と異なる条件を適用する場合は、求人票と労働条件通知書の両方にその内容を明示する必要があります。期間と金額を書かずに入社後に伝えると、トラブルになります。最低賃金を下回らないことも必ず確認してください。

Q. 一人親方として来てもらう場合も、同じように書けますか?

雇用ではなく業務委託になるため、求人ではなく外注先の募集として扱う必要があります。雇用の求人と業務委託の募集を同じ求人票で混ぜて書くことはできません。社員として迎えたいのか、外注として依頼したいのかをはっきり分けてください。

Q. 同業他社の給与相場はどう調べますか?

同じ地域・同じ職種の求人を10件ほど並べて、日給の下限と上限、手当の有無、月収例の記載を書き出すのがいちばん早い方法です。求人サイトの検索結果をそのままメモするだけで、自社がどの位置にいるかが見えます。金額で勝てない場合は、休みの取り方や教育体制で差をつける方針に切り替えてください。

まとめ:金額を上げる前に、見せ方を直す

建設業の求人で給与を書くときは、日給の金額に加えて月収例を示し、計算の根拠(勤務日数・経験年数)を添えてください。固定残業代は金額・時間数・超過分の扱いを3点セットで明示し、手当は金額と条件をセットで書きます。昇給や賞与は「あり」ではなく実績で書くと、同じ条件でも読まれ方が変わります。見せ方を整えたうえで表示が足りないときは、掲載先の見直しです。ご相談はGATEN職の掲載相談ページから承っています。

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