※本記事にはプロモーション(紹介パートナー契約に基づくサービス紹介)が含まれます。
「残業を減らせと言われても、工期は元請が決めるし、天気も変えられない」。これが工事会社の社長の本音です。ただ、残業の中身を分けて見ると、増えているのは現場で手を動かす時間ではなく、日報の転記、写真の整理、見積や請求の作り直し、安全書類の作成という事務の時間であることがほとんどです。2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、この「事務の残業」を放っておけなくなりました。この記事では、残業の中身を分解し、上限規制を厚生労働省の資料で確認できた範囲で整理したうえで、現場を変えずに事務から残業を減らす順番を事務代行の立場から解説します。
建設業の残業は「現場」より「事務」で増えている
相談の入口は「事務員が足りない」「社長が夜中まで請求書を作っている」ですが、建設業特化の事務代行として事務を引き継いでみると、どの会社も残業の原因は同じところにあります。
残業の中身を書き出してみる
相談に来られた会社で、社長・職長・事務員に「定時のあとにやっていたこと」を1週間書き出してもらうと、次の内容になります。
- 職長: 手書きの日報をExcelに打ち直す。写真をパソコンに移して現場ごとに振り分ける
- 社長: 見積の作成と修正。元請への回答。翌日の人員の割り振りと協力会社への連絡
- 事務員: 日報を出面表に転記する。協力会社の請求書と出面を突き合わせる。安全書類の作成と会計ソフトの入力
この中に、現場で工具を握っている時間の延長は一つもありません。すべてが「情報を別の場所に写す」「必要な情報を探す」「書類を作る」仕事です。
現場の残業と事務の残業は性質が違う
現場の残業は、工期・天候・元請の段取りで決まり、減らすには工期交渉や人員の増強が必要です。一方、事務の残業は自社の中で完結しています。日報が手書きなのも、写真をパソコンで整理するのも、請求書を見積から作り直すのも、自社がそう決めているだけで、元請も天候も関係ありません。事務の残業は自社の判断だけで今月から減らせます。
誰の残業なのかを分けて見る
職長は日報と写真で毎日、社長は見積と請求で週末に、事務員は出面と安全書類で月末に、別のタイミングで残業しています。上限規制は労働者一人ひとりにかかるので、職長の転記も事務員の集計も時間外労働として数えられます。社長は役員であれば対象外ですが、社長の夜の書類作成が減らないと社員も帰りにくい構造は変わりません。
| 残業の中身 | 主に誰が | 発生する頻度 | 自社で減らせるか |
|---|---|---|---|
| 日報の手書きとExcelへの転記 | 職長 | 毎日 | 減らせる |
| 写真の整理・台帳作成 | 職長・事務員 | 毎日から週単位 | 減らせる |
| 出面表の作成と協力会社請求の照合 | 事務員 | 月末 | 減らせる |
| 見積・請求書の作成と修正 | 社長 | 週単位 | 減らせる |
| 安全書類・グリーンサイト・CCUS | 事務員・社長 | 現場ごと | 外に出せる |
| 工期に追われた現場作業 | 職人全員 | 現場次第 | 元請との調整が必要 |
時間外労働の上限規制。建設業に適用された内容を確認する
数字はすべて、厚生労働省の公式サイトと厚生労働省が運営する働き方改革の特設サイトで、2026年10月時点に確認できたものだけを書きます。
2024年4月から建設業にも適用されている
上限規制は大企業が2019年4月、中小企業が2020年4月から始まり、建設業には猶予期間が置かれていましたが、厚生労働省のページには「令和6(2024)年4月から適用されています」と明記されています。もう準備期間ではありません。
原則は月45時間・年360時間
残業時間の上限は、原則として月45時間・年360時間で、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできません。月45時間は、月20日稼働なら1日2時間強です。日報の転記と写真整理で毎日1時間使っていれば、上限の半分近くを事務で使っています。
特別条項を結んでも年720時間などの上限がある
特別条項付きの36協定を結んだ場合でも、次の上限を超えることはできません。
- 年720時間以内
- 単月100時間未満(休日労働を含む)
- 複数月平均80時間以内(休日労働を含む)
- 限度時間(月45時間)を超えられるのは年6か月まで
特別条項は上限を外すものではなく、少し広げるものです。
災害復旧・復興の例外と罰則
厚生労働省のページでは、災害時の復旧及び復興の事業については、時間外労働と休日労働の合計を月100時間未満、2から6か月平均80時間以内とする規制は適用されないとされています。通常の工事には使えません。また、違反した場合は6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が課される可能性があると特設サイトに記載されています。
中小の工事会社で現実に起きていること
制度の数字より困るのは、自社の残業時間が今月何時間なのか正確にわからないことです。手書きの日報の時刻が唯一の記録で、それが月末にまとめて提出される会社では、残業時間は月末にしか判明しません。上限規制への対応は、残業を毎日正確に記録できる状態を作ることから始まります。
現場を変えずに残業を減らす。事務から手を付ける考え方
工期交渉や人員増の前にできること
上限規制の対策としてよく挙がるのは、工期の延長交渉、人員の増強、週休2日を前提にした工程です。どれも必要ですが、元請との交渉や採用がからむため今月から効く施策ではありません。だから順番は「事務を先に、現場はその後」です。
消すのは「転記」と「探す」の2つ
事務の残業でやっていることは3つに分かれます。情報を別の場所に写す「転記」、必要な写真や書類を見つける「探す」、書類そのものを作る「作成」です。転記と探すは、情報が最初から正しい場所に入っていれば発生しません。まずこの2つを消し、作成のうち安全書類や経理のように専門知識が要るものは外に出す。これが現場を変えずに残業を減らす考え方の芯です。
事務作業を減らす順番。毎日発生するものから手を付ける
基準は「発生頻度が高いものから」です。毎日の作業を10分削れば月に3時間以上減りますが、月末だけの作業を1時間削っても月に1時間です。
1. 日報の転記をやめる(毎日)
職長が手書きした日報を、事務所に戻ってExcelに打ち直す。この転記が毎日の残業の筆頭です。対策は、日報を最初からスマホで入力することです。「スマホの日報が正式な記録」と決めれば、転記という工程が消えます。入力項目を現場名・人員・作業内容・開始終了時刻の4つに絞れば職長の負担は紙より軽く、開始終了時刻が毎日残るので残業時間の正確な記録も同時に実現します。アプリの選び方は作業日報アプリの選び方で詳しく書いています。
2. 写真の整理を現場で終わらせる(毎日)
撮った写真をパソコンに移し、現場ごとに振り分け、黒板を見ながらファイル名を付け直す。撮る時点で案件に紐づけて保存すれば、振り分けも付け直しも不要になり、写真台帳もできています。写真台帳の作り方は工事写真台帳の作り方にまとめています。
3. 出面と労務費を日報から自動で出す(月末)
日報がスマホで入り、現場と人に紐づいていれば、月末の出面表は集計すれば出ます。協力会社ごとの人工と稼働日数が自動で集計されれば、協力会社の請求書との突き合わせも数字を見比べるだけで済みます。事務員が月末に日報を1枚ずつ見ながら出面表に転記していた残業はここで消えます。
4. 見積と請求の作り直しを減らす(週単位)
社長の残業の中心は見積と請求です。見積をExcelで作り、受注後に請求書を別のテンプレートで作り直すと、同じ明細を2回打ちます。見積の明細をそのまま請求に引き継げる仕組みにすれば、請求書の作成は「確認して出す」だけになり、見積が実行予算と原価にもつながっていれば、粗利をあとから集計する時間もなくなります。
5. 安全書類・CCUS・経理は外に出す(現場ごと)
ここまでの4つは「情報が正しい場所に入れば消える」作業でした。残るのが、グリーンサイトや元請ごとの安全書類、CCUSの事業者・技能者・現場登録、会計ソフトへの入力です。情報を集めただけでは終わらず、書類を作る人の手と知識が要ります。現場ごとに発生して繁閑の差が大きいので、固定の人件費で抱えるより外に出すほうが残業は確実に減ります。
| 順番 | 事務作業 | 今のやり方 | 変えた後 | 減る残業 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 日報 | 手書きしてExcelに転記 | スマホ入力で完結 | 職長の毎日の転記 |
| 2 | 写真 | パソコンに移して振り分け | 撮影時に案件へ紐づけ | 毎日の写真整理 |
| 3 | 出面・労務費 | 日報を見て出面表に転記 | 日報から自動集計 | 事務員の月末の集計 |
| 4 | 見積・請求 | 別ファイルで作り直し | 見積から請求へ引き継ぎ | 社長の週末の作業 |
| 5 | 安全書類・CCUS・経理 | 社長か事務員が夜に作成 | 事務代行へ | 現場ごとの突発残業 |
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サクミルとは。日報から出面・原価までつながる現場管理アプリ
ここまでの順番の1から4を一つのアプリでまかなえるサービスとして、マッセが紹介パートナーとして取り扱っているのが「サクミル」です。以下は2026年10月時点の公式サイトの記載に基づきます。
概要と料金
サクミルは、株式会社プレックス(東京都中央区)が運営する建設業向けのクラウド型現場管理・工事管理システムです。月額9,800円〜(税別)で20アカウントまで使え、初期費用は0円です。無料トライアルは2ヶ月で、期間終了後の自動課金はありません。協力会社の登録はアカウント数に含まれません。導入社数は3,000社以上、月間新規導入は200社以上です。マッセ経由で正式利用を申し込むと、公式のアンバサダー制度により無料期間が1ヶ月延長され、実質3ヶ月無料で使えます。
作業日報と出面・労務費がつながる
残業削減の観点で見るのは作業日報の機能です。公式の作業日報ページでは、スマホから日報を入力でき提出のために事務所へ戻る必要がないこと、紙やExcelの日報では勤務時間・残業時間の集計にExcelへの転記が必要になることを挙げ、集計の自動化で月末処理の負担を減らすとしています。出面管理のページでは、日報の出面情報が自動集計され、人工から労務費へ自動変換できるため、月末の人工集計や原価計算にそのまま使えるとされています。順番の1(日報)と3(出面・労務費)が職長の一度の入力でつながり、写真管理・見積管理・請求管理・実行予算・原価管理も同じ案件の下で動くので、2と4も含まれます。
導入事例に見える「事務工数」の変化
公式サイトの導入事例には、テクノ電業株式会社(事務工数30%削減)、岩崎建設(スケジュール確認の電話が不要に)、株式会社ACT(Excelの限界から新規雇用へ)などが掲載されています。事務工数が3割減ったのは、「転記」と「探す」が消えた結果と読めます。
機能の詳細、画面のイメージ、無料トライアルの申込手順はサクミルの紹介ページにまとめています。
アプリで集めて、手続きはマッセへ。併用で残業をさらに減らす
事務代行の立場で正直に書くと、アプリを入れただけでは残業は半分しか減りません。アプリが減らすのは「転記」と「探す」で、安全書類やCCUS、経理の入力という「作成」は残ります。これを社長が夜にやっている限り、社員も帰りづらいままです。
アプリが集める情報と、人がやる手続き
サクミルが集めるのは、誰がどの現場で何時間働き、いくら請求するかという現場の情報です。これが整っていれば、安全書類や経理の入力は情報を探す工程なしで進みます。マッセは建設業に特化した事務代行として、グリーンサイトや元請ごとの安全書類の作成・提出、CCUS(建設キャリアアップシステム)の事業者登録・技能者登録・現場登録、請求書の発行や経理の入力を、LINEでのやり取りで代行しています。料金やプランの詳細はマッセのサービス案内をご覧ください。
役割分担のかたち
職長は現場でサクミルに日報と写真を入れて帰る。社長は見積の承認と粗利の確認を自分の端末で済ませる。事務員がいれば出面の確認と請求書の発行を担当する。安全書類・グリーンサイト・CCUS・経理はマッセに渡す。この分担なら、現場の進め方は何も変えずに、職長の転記、事務員の月末集計、社長の夜の書類作成という3種類の残業を同時に減らせます。
よくある質問
Q. 社長自身の残業も上限規制の対象ですか?
会社の代表者は労働者ではないため、上限規制の対象にはなりません。ただし、社長が夜に書類を作っている会社では、職長や事務員の残業も同じ原因で発生しています。社長の事務を減らすことが社員の残業削減につながります。
Q. 残業時間をこれまで正確に記録していませんでした。どこから始めればいいですか?
今月から日報に開始・終了時刻を毎日入れることから始めてください。スマホで日報を入力すれば提出時点で時刻が残り、月の途中でも一人ひとりの時間外労働を確認できます。月末にまとめて書いた日報では、45時間に近づいている社員に途中で気づけません。
Q. 日報をスマホにしても、職人が入力してくれません。
原因はたいてい、入力項目が多すぎることと、紙の日報が残っていることです。入力は4項目に絞り、紙の日報は廃止して「スマホに入っていないものは記録なし」と決めてください。社長が毎朝日報を見てひと言返すだけで、入力率は目に見えて上がります。
Q. 事務代行に出すと、情報を渡す手間でかえって残業が増えませんか?
最初の1、2か月は、会社の情報や元請ごとの書式を渡す手間があります。その後は現場の情報がアプリに入っていればマッセ側で見て書類を作れるので、夜に資料を集めて送る作業は発生しません。
サクミルの無料トライアル(マッセ経由で実質3ヶ月無料)の申込相談は、サクミルの紹介ページから受け付けています。「うちはどこから減らせるか」という導入前の整理も、事務代行の立場からお手伝いします。
まとめ:残業は事務から減らし、記録はアプリに残す
建設業で増えている残業は現場作業ではなく、日報の転記・写真の整理・出面の集計・見積と請求の作り直し・安全書類の作成という事務の時間です。2024年4月から建設業にも上限規制が適用され、原則は月45時間・年360時間、特別条項を結んでも年720時間などの上限があります。対応の順番は、工期交渉や人員増の前に、自社の判断だけで止められる事務からです。毎日発生する日報と写真から手を付け、出面・労務費を日報から自動で出し、見積から請求への作り直しを減らし、安全書類・CCUS・経理は外に出す。この順番なら現場は何も変わりません。サクミルで現場の情報と残業時間の記録を集め、マッセで書類と経理を引き受ける組み合わせも検討してみてください。