グリーンサイトの作業員名簿の書き方をエクセルシートを使って説明してみた。

作業員名簿の作成について

建設業における作業員名簿は、法的な義務として作成が求められています。

作業員名簿は安全書類であり、建設業法の規定により保存が義務付けられています。具体的には、建設業者は各営業所ごとに、営業に関する事項を記載した帳簿を備え、これらの帳簿や関連する書類を保存しなければなりません。保存期間は原則として5年間です。

作業員名簿が単なる出欠表だと誤解されることもありますが、実際には作業員の管理や安全確保に不可欠な書類です。

この記事では、建設現場における作業員名簿の作成方法を解説します。さらに、保存期間や作成時の留意点についても紹介しますので、参考にしてください。

作業員名簿を書く際に必要な項目

作業員名簿には多くの欄があり、すべてを正確に漏れなく記入する必要があります。当サイトが作業員名簿作成時に参考にしていただけたら幸いです。

欄外部分の書き方

①工事を行う場所や工事の名称を記入します。例えば、「〇〇新築工事」や「〇〇作業所」、「〇〇改修工事」といった具体的な名称を使います。指示がある場合は、元請からの指示に従って記入してください。

②所長名は、元請の現場代理人を指します。自社の親会社ではなく、元請の現場管理人の名前を記入します。

③作成日は、作業員名簿を作成した日付を記入します。

④一次会社名や事業者IDを記入します。作業員名簿を提出する一次会社名や事業者ID、または代理人の名前を記入します。

⑤次に、自社の会社名を記入します。()内に自社が何次請かを明記するのを忘れずに行いましょう。

⑥提出日が確定している場合は、提出日を記入します。提出日が確定していない場合は、提出直前に記入することができます。

欄内部分の書き方

⑦番号は、作業員を識別するための通し番号です。順に1、2、3と記入します。

⑧ふりがな・氏名・技能者IDの欄は、労働者の名前や識別情報を記入する重要な場所です。名前に誤りがあると身分の証明ができず、現場入りができなくなる可能性があります。氏名の記入時には特に注意が必要です。また、新しい労働者が追加される場合は、名簿を更新するか、最後に書かれている労働者の後に追加します。

⑨職種欄には、労働者の役割や職種を記入します。建設業界では、職種の呼び方が異なる場合がありますが、役割が明確にわかる名称を使用します。

⑩※(特記事項)欄は、略語で記述されることが一般的で、初めて見ると少しわかりにくいかもしれませんが、作業員名簿においては重要な項目です。

 

⑪雇入年月日欄には、作業員が会社に雇用された具体的な年月日を記入します。

⑫生年月日欄には、作業員の生年月日とその年齢を記入します。和暦や西暦のどちらを使用しても構いませんが、未成年者に関しては年齢の確認が必要なので注意が必要です。18歳未満の未成年者に関しては、年齢を証明できる書類の提示が求められることもあります。また、未成年者の場合は、時間外労働や仕事内容の制限について法令を遵守することが重要です。

⑬現住所欄には、作業員の現在の住所を記入します。

⑭家族連絡先と電話番号欄では、作業中に事故や労災が発生した際に連絡を取るための緊急連絡先と電話番号を記入します。通常は、両親や配偶者などの身近な家族の情報が記入されます。

⑮最近の健康診断日欄には、作業員の直近の健康診断を受けた日付を記入します。労働安全衛生法により、労働者は年に一度の健康診断を受ける義務があります。2年前や3年前の情報が記載されていないかを確認し、最新の情報に更新します。また、最低血圧と最高血圧も記入しますが、個人情報のため機密性に配慮して管理する必要があります。

⑯血液型欄には、作業員の正確な血液型を記入します。これは、事故などで輸血が必要になった場合に必要な情報です。

⑰特殊健康診断日と種類欄では、特殊健康診断を受けた日付とその種類を記入します。体に有害な作業を行う労働者には、半年に一度の頻度で特殊健康診断の受診が義務付けられています。特殊健康診断が必要ない場合は欄を空欄にし、必要な場合は受診した日付と種類を正確に記載します。有害業務の例としては、電離放射線、高気圧業務、特定化学物質、鉛、有機溶剤、じん肺などが挙げられますが、これらは一例であり、他にも様々な有害業務が存在します。

⑱社会保険の加入状況

各社会保険の加入状況を示します。

健康保険

健康保険の種類を選択します:協会けんぽ、建設国保、健康保険組合、国民健康保険、適用除外
保険証に記載されている番号の下4桁を入力します。4桁でない場合は、記載されている番号を入力します。
年金保険

厚生年金、国民年金、受給者の中から選択します。
雇用保険

通常の作業員の場合は空欄です。
日雇労働被保険者の場合は「日雇保険」、事業主やその親族の場合は「適用除外」と記入します。
⑲建設業退職金共済制度・中小企業退職金共済制度

未加入の場合は空欄、加入している場合は加入している場合は、「建設業退職金制度」「中小企業退職金共済制度」どちらかのマスに丸をつけます。

⑳雇入・職長・特別教育

全ての作業員は雇入教育を受けることが必須です。
職長教育や特別教育を受講している場合のみ情報を記入します。
⑳技能講習

各都道府県の労働局に登録されている教育期間で受講した技能講習を記入します。
⑳免許

取得した免許を記入します。
㉑入場年月日

新規で入場する作業員に向けて、教育を実施した場合に年月日を記入します。
㉑受入教育実施年月日

入場年月日と同じ日付を記入します。
㉒退職金共済手帳の所有の有無

退職金共済手帳を所有している場合、「建」または「中」に丸印をつけます。所有していない場合は「無」を選択します。

これで、記入が完了です。

作業員名簿を作成する際の注意点

作業員名簿は、作業員の個人情報や安全を守るために丁寧に作成し、保持する必要があります。作成にあたって以下の点に注意しましょう。

  • 記載した資格や免許を証明するためのコピーを添付することが必要です。証明書の取得に時間がかかる場合もありますので、余裕を持って書類を集めておきましょう。
  • 不明点や記入できない欄がある場合は、まず空欄のまま作成し、後で手書きで記入することも認められています。書類の見た目が心配な場合は、全ての情報が集まってから作成を始めることをおすすめします。

まとめ

この解説では、作業員名簿の重要性と作成に関するポイントを紹介しました。

作業員名簿は、作業員が安心・安全に働くために欠かせない書類です。そのため、作成に際しては慎重さが求められます。

今回の解説が、作業員名簿を作成する際の参考になれば幸いです。

 

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