※本記事にはプロモーション(紹介パートナー契約に基づくサービス紹介)が含まれます。
「うちもDXをやらないといけないとは思っている」。事務代行のご相談で、この言葉を社長から聞かない月はありません。ただ、その次に「何から始めればいいかわからない」が続き、結局は紙の日報とLINEの写真とExcelの見積のまま、という会社がほとんどです。この記事は、従業員が数人から20人程度の建設会社が、最初の3ヶ月で何をやり、何をやらないかを決めるための記事です。1ヶ月目は日報か写真、2ヶ月目は見積と請求、3ヶ月目は原価という順番と、その理由を事務代行の現場から整理します。
DXという言葉で止まっている小規模な建設会社の実情
ご相談に来る会社の多くは、DXに反対しているわけではなく、むしろ必要だと思っています。それでも進まないのは、言葉の大きさに対して、自社の困りごとが小さく具体的だからです。
「DXをやる」が目的になり、困りごとが後回しになる
展示会で名刺を渡した途端に営業電話が増え、顧客管理から原価管理、勤怠、電子契約までそろったパッケージの話を聞かされる。社長は「うちはまず日報が集まらないのを何とかしたいだけなんだが」と思いながら、見積書だけ受け取って終わります。「DXをやる」が先に来ると、何を解決したいのかが後回しになります。
紙・LINE・Excelの3点セットで、毎日何が止まっているか
典型的な流れはこうです。職長は紙の日報を書いて事務所の箱に入れる。現場写真はLINEのグループに流れ、あとで事務が保存し直す。見積はExcelで作り、請求書は別のテンプレートに金額を打ち直す。仕入先の請求書は月末にまとめて封筒から出す。
この流れで止まるのは、日報が事務所に届くまでの1日から1週間、LINEの写真がどの現場の何の写真かわからなくなる数週間、見積と請求の食い違いに気づく月末、「この現場は儲かったのか」が決算までわからない数か月です。原因は「情報が事務所に届くのが遅い」「同じ数字を何度も打ち直している」の2つに行き着きます。
大手の事例が参考にならない理由1。専任の担当者がいる前提
建設DXの事例として紹介されるのは、ゼネコンや住宅メーカーの話が中心です。そこには情報システム部門か、少なくともDX推進担当という専任の人がいて、要件の整理、ベンダーとの打ち合わせ、現場への説明を、現場の仕事をしないで済む立場で回しています。社長が現場に出て、奥様が経理を見ている会社に、この前提はありません。
大手の事例が参考にならない理由2。全社一斉と年単位の効果
大手の事例は「全社で一斉に導入し、2年で何時間削減」という形で語られます。全社一斉は、説明会を開き、マニュアルを作り、問い合わせ窓口を置ける人数がいて初めて成り立ちます。効果が年単位なのも、投資額が大きいからです。小規模な会社は逆で、投資は月額1万円前後、効果は3ヶ月で「手が空いたか」で判断する。この違いを無視して大手の真似をすると、半年たっても何も変わらず、月額だけ払い続けることになります。
最初に決めること。困っている作業を1つだけ選ぶ
DXの計画書は要りません。最初に決めるのは「いちばん困っている作業を1つ」と「その作業で紙とLINEの何が止まっているか」の2つです。
「1つ」に絞る基準は、毎日起きていて、社長が自分で困っていること
絞る基準は2つです。1つは、毎日か毎週、必ず起きていること。月に1回の作業は後回しで構いません。もう1つは、社長自身が困っていること。事務担当が困っている作業から始めると、社長が途中で関心を失い、3ヶ月もちません。多くの会社で当てはまるのは、日報が集まらない、写真の整理ができない、見積と請求の金額が合わない、のどれかです。
紙とLINEで「何が止まるか」を1枚に書き出す
選んだ作業の今の流れを紙に書きます。誰が、どこで、何に書いて、誰に渡し、誰が何に転記するか。日報なら「職長が紙に書く、事務所の箱に入れる、事務が週末にExcelに転記する、社長は月初に見る」。書き出すと、止まっている場所が「箱」「週末」「月初」の3つだとわかります。システムを選ぶのはそのあとで、営業担当に「それでこの箱は消えますか」と聞けるようになります。
ゴールは数字でなくていい。「手が空く時間」で決める
効果を「事務工数何%削減」のような数字で決めようとすると、測る手間で止まります。小規模な会社のゴールは「社長が月初に日報をめくる時間がなくなる」「事務が週末に写真を整理しなくてよくなる」で十分です。3ヶ月後に、その時間が本当に空いたかを社長と事務の2人で確認する。それが判断基準です。
小規模な建設会社の最初の3ヶ月。月ごとに1つずつ
順番には理由があります。現場から情報が入ってくる仕組みを先に作り、次に金額をつなぎ、最後に原価を乗せる。原価管理から始めると、入れるべき数字が集まらず、3ヶ月目まで持ちません。
1ヶ月目:日報か写真、どちらか1つを現場からスマホで入れる
最初の1ヶ月は、職長の仕事を1つだけ変えます。紙の日報をスマホで入れるか、LINEに流していた写真を案件ごとの写真管理に入れるか、どちらか1つです。職長の操作は「現場を選んで、入力して、送る」だけに絞り、他の画面は見せなくて構いません。
どちらを選ぶかは、「何が止まるか」の紙で決めます。日報の転記で事務が止まっているなら日報、写真の整理で止まっているなら写真です。日報アプリに求める条件は作業日報アプリの選び方に書いています。1ヶ月目の合格ラインは「全員が毎日入れている」ではなく、「社長が月初に紙をめくらなくなった」です。
2ヶ月目:見積と請求を同じ案件につなぐ
現場からの入力が回り始めたら、事務所側に手を付けます。Excelで作っていた見積を案件に紐づけて作り、その金額から請求書を起こす。これだけで見積と請求の打ち直しが消え、出来高請求の残高も案件ごとに出ます。
大事なのは、過去の案件を移さないことです。2ヶ月目以降に見積を出す案件からだけ新しい流れで作り、過去の案件はExcelのまま終わらせます。移行作業に時間を使うと、本来の目的である「打ち直しをなくす」が後回しになります。
3ヶ月目:原価を入れて、案件ごとの粗利を見る
3ヶ月目に初めて原価を扱います。仕入先・外注先からの請求書を案件に割り振って登録し、見積または実行予算に対していくら使ったかを見る。1ヶ月目の日報から人工が、2ヶ月目の見積から予算が入っているので、原価を入れた瞬間に粗利が出ます。これが原価を3ヶ月目まで待つ理由です。
実行予算を立てていなかった会社は、見積金額を予算代わりにして構いません。立て方は実行予算の作り方にまとめています。3ヶ月目の合格ラインは「進行中の案件のどれか1つで、今の粗利が言える」です。
3ヶ月の進め方を表にまとめる
| 時期 | やること | やらないこと | できているかの目安 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月目 | 日報か写真のどちらか1つを現場のスマホから入れる | 両方を同時に始める。他の機能を教える | 社長が月初に紙の日報をめくらない |
| 2ヶ月目 | 新規案件の見積を案件に紐づけ、その金額から請求書を出す | 過去案件の移行 | 見積と請求の金額を打ち直していない |
| 3ヶ月目 | 仕入・外注の請求書を案件に登録し、粗利を見る | 原価項目を細かく分けすぎる | 進行中の案件1つの粗利が言える |
やらないこと3つ。公的調査が示す「失敗の理由」と重なる
3ヶ月で止まる会社には共通点があります。やることより、やらないことを決めるほうが効きます。
全部を一度に入れない
顧客管理も日報も見積も原価も、初日から全部使おうとする会社は、3週間で誰も開かなくなります。職長は「どこに何を入れるのか」で迷い、事務は「どこまで登録すれば動くのか」で止まります。全機能が使えるシステムでも、使う機能は毎月1つずつ増やす。使わない機能は、あることを知らなくていいのです。
高いシステムを先に契約しない
「将来の拡張を見越して」上位プランや大手向けのシステムを年契約で入れると、使わない機能の月額を払いながら、やめる判断もできなくなります。最初に入れるのは、初期費用がなく、人数が増えても月額が変わらず、無料期間に3ヶ月の試行が収まるものです。「手が空いたか」を判断してから契約する。この順番を逆にしないでください。
担当者任せにしない。最初の3ヶ月は社長が見る
事務担当や若手に「君に任せる」と丸投げした会社は、ほぼ例外なく職長が入力しません。職長が動くのは、社長が「今日の日報、入ってないぞ」と言うからです。最初の3ヶ月だけは、社長が毎朝1回、前日の入力を見る。これが定着の条件で、システムの機能より効きます。
公的調査でも「効果が見えない」「何から始めてよいかわからない」が課題に
この3つが思い込みではないことは、公的な調査でも確認できます。独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が2026年2月に公表した「中小企業のDX推進に関する調査(2025年)」は、2025年12月に全国の中小企業1,000社(うち建設業100社)を対象に行われました。
DXに「既に取り組んでいる」が18.9%、「取組みを検討している」が20.2%で、合わせて39.1%。一方で「必要だと思うが取り組めていない」が29.4%、「取り組む予定はない」が31.5%でした。6割の会社が、やる前で止まっています。取り組むに当たっての課題(複数回答)は、「ITに関わる人材が足りない」28.3%、「予算の確保が難しい」26.0%、「具体的な効果や成果が見えない」21.4%が上位で、「何から始めてよいかわからない」も13.9%ありました。取り組む予定がない企業の理由でも、「具体的な効果や成果が見えない」25.7%、「予算が不足している」20.6%が上位です。
調査結果を小規模な建設会社に読み替えると
人材がいない、予算がない、効果が見えない。この3つは、やらないこと3つの裏返しです。専任の人材がいないなら社長が見る。予算が限られるなら高いシステムを先に契約しない。効果が見えないなら全部を一度に入れず、1つの作業で「手が空いたか」を3ヶ月で確かめる。大手の進め方を真似しなければ避けられる課題です。
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サクミル。無料期間の中に「最初の3ヶ月」がそのまま収まる
ここまでの進め方に合うクラウド現場管理アプリとして、マッセが紹介パートナーとして取り扱っているのが「サクミル」です。以下の内容は、2026年10月時点の公式サイトと公式資料の記載に基づいています。
概要と料金
サクミルは、株式会社プレックス(東京都中央区)が運営する建設業向けのクラウド型現場管理・工事管理システムです。顧客管理、案件管理、見積管理、実行予算・原価管理、請求管理、作業日報、スケジュール、写真管理、ファイル管理、工事台帳、出面管理、発注・仕入管理を備え、写真やチャットから見積を作るAI見積も新機能として提供されています。導入社数は3,000社以上、月間の新規導入は200社以上です。
| 月額基本料 | 9,800円〜(税別)、20アカウントまで |
|---|---|
| 協力会社の登録 | アカウント数に含まない(公式資料より) |
| 初期費用 | 0円 |
| 無料トライアル | 2ヶ月(期間終了後の自動課金なし)。マッセ経由の正式申込で1ヶ月延長され、実質3ヶ月無料 |
| 機能制限 | 追加料金なしで全機能が利用可能、機能アップデート無料 |
| サポート | 専任サポート担当による導入支援。初回セットアップはオンライン約30分・無料 |
3ヶ月の進め方をサクミルに当てはめると
2ヶ月の無料トライアルに、マッセ経由の正式申込で延長される1ヶ月を足すと実質3ヶ月。この記事の1ヶ月目から3ヶ月目が、料金を払う前の期間にそのまま収まります。自動課金はないので、3ヶ月目の終わりに「手が空いたか」「粗利が言えるか」を見てから契約を決められます。
導入支援の形も、小規模な会社の進め方に合っています。初回セットアップはオンライン約30分で、アカウントの発行と最初に使う機能の方針をここで決めます。その後も専任の担当者が、メンバーの追加や項目の設定を伴走します。「1ヶ月目は日報か写真を1つだけ」と初回に伝えておけば、面談もその線で進みます。日報も写真も見積も原価も同じ案件に紐づくので、月ごとに1つずつ足していけます。
機能の詳細、画面のイメージ、無料トライアルの申込手順はサクミルの紹介ページにまとめています。
アプリは現場の情報を集める道具。手続きと経理はマッセが代行
事務代行の立場で付け加えます。3ヶ月で現場の情報は集まるようになりますが、集まった情報を使う事務は残ります。安全書類、グリーンサイト、CCUS、会計ソフトへの入力はアプリの画面には出てきません。社長がこの事務まで抱えると、現場に出る時間が削られ、3ヶ月目の原価登録が止まります。
マッセが代行している事務
マッセは建設業に特化した事務代行で、グリーンサイトや各元請の安全書類(グリーンファイル)の作成・提出、CCUS(建設キャリアアップシステム)の事業者・技能者・現場登録、請求書の発行や経理の入力を、LINEでのやり取りで代行しています。料金やプランはマッセのサービス案内をご覧ください。
併用するときの役割分担
職長は、日報と写真をスマホからサクミルに入れる。社長は、見積の承認と、3ヶ月目からは粗利の確認を自分の端末で行う。顧客・取引先の登録、請求書の発行、仕入・外注の原価登録、安全書類・グリーンサイト・CCUS・会計ソフトへの入力はマッセが引き受ける。「最初の3ヶ月は社長が見る」を守れるのは、社長の手から事務が離れているときだけです。DXの担当者を雇わなくても3ヶ月を回せる体制が、この組み合わせです。
よくある質問
Q. 日報と写真、どちらから始めるか迷っています。
迷ったら日報です。写真はLINEでも残ってはいるのに対し、紙の日報は転記されるまで誰も見られず、人工の集計にもつながりません。ただし、元請への写真提出で毎月苦労しているなら写真が先です。
Q. 職人が高齢で、スマホ入力は無理だと思います。
1ヶ月目に求めるのは、現場を選んで、文字か写真を入れて、送る、の3手順だけで、LINEで写真を送れる人なら同じ操作です。それでも難しい職長がいれば、その人の分だけ若手が代わりに入れる例外を1ヶ月は認めて構いません。全員が一斉に変わる必要はありません。
Q. 補助金を使ってから始めたほうがいいですか。
申請を待つと、始める時期が数か月遅れます。月額1万円前後で無料期間があるシステムなら、補助金の有無で判断を変える必要はありません。まず無料期間で3ヶ月試し、続ける判断をしてから、そのとき使える制度を確認する順番をすすめます。制度の要件や期限は年度ごとに変わるので、申請前に公式サイトで確認してください。
Q. 3ヶ月やって効果が出なかったらどうなりますか。
サクミルの場合、無料期間中に自動で課金されることはないので、やめても費用はかかりません。ただ、効果が出ない原因の多くは「社長が見ていない」「全部一度に始めた」「過去案件の移行に時間を使った」のどれかです。やめる前に、表の「やらないこと」をやっていなかったか確認してください。
サクミルの無料トライアル(マッセ経由の正式申込で実質3ヶ月無料)の相談は、サクミルの紹介ページから受け付けています。「日報と写真のどちらが合うか」「今の流れのどこが止まっているか」といった始める前の整理にも、事務代行の立場からお答えします。
まとめ:DXの計画より、困っている作業を1つ決める
建設業のDXが何から始めればいいかわからないまま止まるのは、言葉が先に来て困りごとが後回しになるからです。大手の事例は専任の担当者と全社一斉が前提で、社長が現場に出ている会社の参考にはなりません。最初に決めるのは、社長自身が毎日困っている作業を1つと、紙とLINEのどこで止まっているか。そのうえで、1ヶ月目は日報か写真、2ヶ月目は見積と請求、3ヶ月目は原価と粗利の順に進め、全部を一度に入れない、高いシステムを先に契約しない、担当者任せにしない、の3つを守ります。無料期間に3ヶ月が収まるサクミルで現場の情報を集め、手続きと経理の入力はマッセに任せる。DX担当者を置けない会社の、現実的な始め方として検討してみてください。