建退共の電子申請方式とは、共済証紙を貼る代わりに「退職金ポイント」を先に買っておき、月に一度、就労日数を報告してポイントを掛金に充てる仕組みです。証紙の購入や貼り付け、消印といった作業がなくなり、記録もシステムに残ります。この記事では、始めるまでの手順と毎月やること、証紙方式との違いを整理して解説します。
証紙方式と何が変わるのか
いちばんの違いは、現物の証紙を扱わなくてよくなることです。
| 証紙方式(現行方式) | 電子申請方式 | |
|---|---|---|
| 掛金の形 | 共済証紙を購入 | 退職金ポイントを購入 |
| 購入方法 | 金融機関などで証紙を買う | ペイジーまたは口座振替 |
| 毎月の作業 | 手帳に証紙を貼って消印 | 就労日数を専用サイトに報告 |
| 記録 | 手帳という現物で管理 | システム上に履歴が残る |
| 紛失リスク | 証紙や手帳をなくす恐れがある | 現物がないので紛失しない |
証紙を貼り忘れる、手帳が見当たらない、消印を押し忘れる。こうした事故がなくなるのが電子申請の一番の利点です。
始めるまでの手順
いきなり毎月の報告ができるわけではなく、最初に申し込みと準備が必要です。
- 電子申請方式の利用を申し込む。建退共に申込みを行います。
- ログイン情報を受け取る。建退共から、電子申請専用サイトのログインIDと初期パスワードが記載された書類が届きます。
- 就労実績報告作成ツールを入れる。公式サイトから無償でダウンロードできるデスクトップ用のアプリケーションです。
- 退職金ポイントを購入する。ペイジーまたは口座振替で先に買っておきます。
ポイントは前払いです。残高がないと掛金を充当できないため、月の作業に入る前に足りているかを確認する癖をつけてください。
毎月やること
運用に入ってからの作業は、月に一度の就労実績報告だけです。
- 就労実績報告作成ツールで、被共済者ごとの就労日数を日別に入力します。
- 就労実績ファイルを作成します。
- 電子申請専用サイトにログインして、そのファイルを報告します。
- 報告した就労日数に応じて、購入済みの退職金ポイントが掛金として充当されます。
日別に入力するのが手間に見えますが、実際には現場の出面表を写すだけです。むしろ証紙を1日分ずつ貼っていた作業と比べれば、負担ははっきり軽くなります。
CCUSの就業履歴との関係
電子申請方式は、CCUS(建設キャリアアップシステム)の就業履歴と組み合わせて使うことが想定されています。CCUSに履歴が積み上がっていれば、それを就労実績の根拠として活用できるためです。
すでにCCUSを使っている会社なら、両方を電子で回すことで二重入力を減らせます。逆に言えば、CCUSの就業履歴が正しく貯まっていることが前提になるので、カードリーダーやグリーンサイト経由での履歴送信を整えておくと効いてきます。
よくある質問(FAQ)
Q. 証紙方式から電子申請に切り替えられますか?
切り替えられます。申し込みを行い、ログイン情報を受け取ったうえで運用を開始します。すでに手元にある証紙や手帳の扱いについては、切り替えの手続き時に建退共へ確認してください。
Q. 公共工事を受注したときは何か違いますか?
公共工事の受注時には、その工事に対応する退職金ポイントを購入する流れがあります。建退共から専用の簡易マニュアルが出ているので、受注が決まったら早めに確認しておくと安心です。
Q. 一人親方も対象になりますか?
建退共は原則として建設業で働く労働者のための制度です。一人親方は任意加入という扱いになるため、加入の可否や手続きは建退共に直接確認してください。元請から加入を求められるケースもあります。
Q. 報告を忘れたらどうなりますか?
その月の掛金が充当されず、被共済者の退職金の積み上がりが止まります。証紙の貼り忘れと同じ結果になるので、月次の締め作業に組み込んでしまうのが確実です。給与計算と同じタイミングにしている会社が多いです。
まとめ:ポイントを先に買い、月に一度報告するだけ
建退共の電子申請方式は、退職金ポイントを前もって購入し、月に一度、就労実績報告作成ツールで作ったファイルを専用サイトに報告する仕組みです。証紙の購入・貼付・消印がなくなり、記録もシステムに残ります。ポイントの残高切れと報告忘れにだけ気をつけてください。毎月の実績報告まで手が回らない場合は、建設業特化の事務代行マッセにご相談いただけます。