建設業で書類仕事を外に出すとき、行政書士と事務代行のどちらに頼むかは、書類の提出先で決まります。役所に出す書類は行政書士の独占業務、元請に出す書類は事務代行でも対応できる、というのが基本の線引きです。この記事では、それぞれに頼めることを具体的に整理し、費用感と使い分けの目安まで解説します。
線引きは「提出先が役所かどうか」
行政書士の独占業務は、官公署に提出する書類の作成です。市役所や県庁といった行政機関に出す許認可申請書や届出書がこれにあたり、代表例が建設業許可申請書です。報酬を得てこれを業として代行できるのは行政書士だけと法律で定められています。
一方、安全書類やグリーンサイトへの入力は、提出先が元請という民間の会社です。官公署に出す書類ではないため、事務代行が対応しても問題ありません。この違いを押さえておけば、どちらに相談すべきかは自然に決まります。
それぞれに頼めること
| 業務 | 行政書士 | 事務代行 |
|---|---|---|
| 建設業許可の新規申請・更新 | ◯(独占業務) | × |
| 経営事項審査の申請 | ◯(独占業務) | × |
| 決算変更届などの各種届出 | ◯(独占業務) | × |
| 安全書類(グリーンファイル)の作成 | ◯ | ◯ |
| グリーンサイト・Buildeeへの入力 | ◯ | ◯ |
| CCUSの登録手続き | ◯ | ◯ |
| 請求書・見積書の作成、経理補助 | △(対応は事務所による) | ◯ |
| 元請とのメール・電話のやり取り | △(対応は事務所による) | ◯ |
CCUSは国が推進する仕組みですが、運営しているのは一般財団法人であり、官公署ではありません。そのため事務代行でも対応できる範囲に入ります。実際、行政書士事務所と事務代行会社の両方がCCUS代行を扱っています。
費用と付き合い方の違い
料金の形も違います。行政書士は案件ごとの報酬制が中心で、建設業許可の新規申請なら十数万円という単位です。一方、事務代行は月額の定額制や作業量に応じた課金が中心になります。
この違いは、業務の性質から来ています。許可申請は数年に一度の出来事なので案件ごとの契約が合いますが、安全書類は毎月発生するので継続契約のほうが合理的です。
どちらに頼むか迷ったときの目安
実務での判断はシンプルです。次のように考えてください。
- 許可を取る・更新する・経審を受ける → 行政書士へ。ここは資格がないと代行できません。
- 毎月の安全書類・システム入力・経理まわりが回らない → 事務代行へ。継続的な手数がかかる領域です。
- 両方ある → 併用します。役所向けは行政書士、日常業務は事務代行、と窓口を分けるのが一般的です。
なお、建設業に詳しい事務代行であれば、許可申請が必要な場面で行政書士を紹介してくれることもあります。逆も同様です。最初の相談先はどちらでも構いません。
よくある質問(FAQ)
Q. 事務代行に許可申請を頼んだら違法になりますか?
報酬を得て業として代行した側が問題になります。依頼した会社が罰せられるわけではありませんが、そもそも受けてはいけない業務なので、対応すると言われたら一度確認したほうがよいでしょう。書類の下書きを手伝う程度と、代理して作成・提出することは別です。
Q. 行政書士に毎月の安全書類も頼めますか?
頼めます。ただし事務所によって対応範囲が違い、許可申請を中心にしているところは日常業務まで手が回らないこともあります。継続して手を動かしてほしいなら、事務代行のほうが向いています。
Q. 社会保険や労務の手続きはどちらですか?
社会保険や労働保険の手続きは社会保険労務士の領域です。行政書士でも事務代行でもありません。3つ目の専門家として覚えておいてください。
Q. 窓口が分かれると面倒ではありませんか?
実際その負担はあります。日常業務を任せている事務代行に、許可の時期が来たら教えてもらう形にしておくと、抜けが起きにくくなります。更新の期限管理まで見てくれるところを選ぶと安心です。
まとめ:役所向けは行政書士、毎月回すのは事務代行
建設業の書類を外に出すときは、提出先が役所か元請かで相談先が決まります。建設業許可や経営事項審査は行政書士の独占業務、安全書類やグリーンサイトの入力、CCUSの登録は事務代行でも対応できます。両方必要な会社は併用するのが現実的です。マッセは建設業に特化した事務代行として、安全書類からグリーンサイト・Buildee・CCUS、経理まわりまでLINEひとつでお引き受けしています。