建設業許可なしで請けられる500万円未満の工事とは?基準と罰則を解説

建設業許可なしで請け負えるのは、原則として1件の請負代金が500万円(税込)未満の工事です。これは建設業法第3条ただし書と建設業法施行令第1条の2で定められた「軽微な建設工事」のルールで、超えれば無許可営業として重い罰則の対象になります。この記事では、500万円未満の判断基準と注意点、うっかり違反しないためのポイントを解説します。

許可なしで請けられるのは「500万円未満(税込)」の工事

Photo by Etienne Girardet on Unsplash

建設業を営むには本来、建設業法第3条に基づく許可が必要ですが、「軽微な建設工事」だけを請け負う場合は許可が不要とされています(同条ただし書)。軽微な建設工事の範囲は建設業法施行令第1条の2で次のとおり定められています。

工事の種類許可なしで請けられる範囲
建築一式工事以外(専門工事)1件の請負代金が500万円未満(税込)
建築一式工事1件の請負代金が1,500万円未満(税込)、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事

内装・電気・塗装・とび土工などの専門工事は「500万円未満」、住宅新築などの建築一式工事は「1,500万円未満」が基準です。金額はいずれも消費税込みで判断します。

500万円の判断基準|分割契約・材料支給に注意

Photo by Tingey Injury Law Firm on Unsplash

500万円未満かどうかは「工事1件の合計額」で判断され、契約書を分けても逃れられません。実務で特に間違いやすいポイントは次の3つです。

  • 契約を分割してもダメ:同一の工事を2つ以上の契約に分割した場合、正当な理由がない限り合計額で判断されます(施行令第1条の2第2項)
  • 注文者支給の材料費も加算:注文者が材料を提供する場合は、その材料の市場価格(+運送費)を請負代金に加えた額で判断します(同条第3項)
  • 税込で判断:税抜470万円の工事は税込517万円となり、500万円以上に該当します

「請求書を2枚に分ければ大丈夫」という考え方は通用しません。追加工事で結果的に500万円を超えるケースもあるため、見積段階で余裕を持った判断が必要です。

無許可で500万円以上の工事を請けた場合の罰則

許可なしで500万円以上の工事を請け負うと、3年以下の拘禁刑(懲役)または300万円以下の罰金という建設業法で最も重い罰則の対象になります(建設業法第47条第1項第1号)。法人の場合は、法人に対して1億円以下の罰金が科される可能性もあります(第53条)。

さらに罰則を受けると、その後5年間は建設業許可を取得できなくなる欠格要件(第8条)に該当します。また、無許可業者に500万円以上の工事を下請発注した元請側も指示処分や営業停止処分の対象となるため、元請から取引を打ち切られるリスクも現実的です。「バレなければいい」では済まない重さだと理解しておきましょう。

500万円以上の仕事を受けたいなら建設業許可の取得を

事業を伸ばしていくなら、早めに建設業許可を取得するのが結局は近道です。許可には金額面以外にもメリットがあります。

  • 500万円以上の工事を合法的に請け負える
  • 元請・取引先からの信用が上がり、案件の幅が広がる(許可業者限定の現場もある)
  • 公共工事への参入(経営事項審査)の前提条件になる
  • 金融機関からの融資審査でもプラスに働く

一般建設業許可の主な要件は、経営業務の管理責任者(経営経験5年以上など)、営業所ごとの専任技術者、自己資本500万円以上などの財産的基礎、欠格要件に該当しないこと(建設業法第7条・第8条)です。要件を満たせるか早めに棚卸ししておきましょう。

よくある質問(FAQ)

500万円未満なら何の手続きもなしに工事できますか?

建設業許可は不要ですが、工事の種類によっては別の登録が必要です。解体工事は建設リサイクル法の解体工事業登録、電気工事は電気工事業法の登録が必要になるなど、許可とは別の規制がある点に注意してください。

材料費を施主が負担すれば500万円未満に収まりますか?

収まりません。注文者が材料を支給する場合、その材料の市場価格と運送費を請負代金に加えた合計額で判断すると施行令第1条の2第3項に明記されています。

追加工事で合計500万円を超えてしまったらどうなりますか?

同一工事として一体と見なされれば無許可営業に該当するおそれがあります。追加の可能性がある案件は、当初から許可業者に元請してもらう、または許可取得を急ぐなどの対応が安全です。

許可なしの下請として500万円以上の現場に入るのは問題ありませんか?

自社が請け負う契約金額が500万円未満であれば問題ありません。基準はあくまで「自社の請負代金1件あたり」で判断します。

まとめ|500万円ラインを正しく理解してリスクを避けよう

建設業許可なしで請けられるのは、専門工事なら1件500万円(税込)未満、建築一式なら1,500万円未満または木造住宅150㎡未満の工事です。分割契約や材料支給での抜け道はなく、違反すれば3年以下の拘禁刑等の重い罰則と5年間の欠格が待っています。事業を広げたいなら、早めの許可取得が確実な道です。

許可申請の書類集めや日々の契約書・請求書の管理が負担なら、建設業特化の事務代行「マッセ」に任せる選択肢もあります。現場に集中できる体制づくりから始めましょう。

最新情報をチェックしよう!