はじめに
近年、IT化が進む中で、建設業界では「グリーンサイト」を利用する会社がますます増えていくと考えられます。グリーンサイトは、労務安全書類や施工体制台帳など、通称「グリーンファイル」と呼ばれる文書を作成・提出・管理することができるサービスです。2023年8月末の時点で、このサービスに契約している元請企業の数は500社を超え、さらに協力会社や上位会社を含む代行サービスを利用している企業数は75万社以上に上ります。この広範な利用は、グリーンサイトが建設業界での文書管理においていかに重要な役割を果たしているかを示しています。
グリーンサイトの機能
「グリーンサイト」において特に注目すべき点は、下請負企業がまだグリーンサイトに未登録の場合でも、元請企業が代理で登録申請や編集作業を行うことができる「代行登録」機能が備わっていることです。これにより、プロジェクトの効率化がさらに進み、スムーズな書類の管理と提出が可能となります。元請企業が直接、下請負企業の情報を管理し、必要な書類を迅速に整備することができるため、作業の進行がスムーズになります。
代行登録について
下請負企業がグリーンサイトに未登録の場合、通常は安全書類を紙で提出する必要がありますが、安全書類の頻繁な提出が求められる場合や、技術的な理由で登録が困難な場合などには、上位企業が代理でグリーンサイトへの登録を行う「代行登録」のオプションが用意されています。この代行登録を利用すると、従業員情報の更新や安全書類の編集・提出などの業務も基本的に上位企業が担当することになります。これにより、下請負企業はデジタルツールの利用に関するハードルを越えて、業務の効率化を図ることが可能です。 年間2,400円(税別)の費用で、一企業がグリーンサイトに代行登録することが可能です。この代行登録を行うと、登録された会社情報や従業員情報がグリーンサイト上に記録され、他の企業からもその下位企業としての情報が閲覧・編集可能となります。これにより、上位企業間での情報共有が行われ、効率的な管理が可能になります。また、別の会社が既に代行登録を行っている企業に対しても、新たに代行登録をする場合には同じく2,400円の料金が発生しますので、この点は注意が必要です。 ただし、代行登録する会社が一人親方の場合は、この料金はかからず無料でサービスを利用することができます。
代行登録の手順
代行登録を進めるのに当たり、以下の流れで申請を進めていきます。
①代行登録したい企業の登録を行う
②覚書の締結を行う
これから、上記の手順を一つずつ説明していきます。
①代行登録したい企業の登録を行う
代行登録を行うためには、まず自社がグリーンサイトに登録済みであることを確認しましょう。
ステップ1: グリーンサイトにログイン
まずはグリーンサイトにアクセスし、ログインしてください。
ステップ2: 協力会社向け機能の利用
ログイン後の画面で、協力会社向けサービスを提供する緑色のボタンをクリックします。
ステップ3: メニューボタンの押下
画面左上にある「メニュー」ボタンをクリックしてください。
ステップ4: 「再請負管理」の選択
メニューの左側から「再請負管理」ボタンを押下します。
ステップ5: リスト追加ボタンの押下
「再請負業者リスト一覧」ページが表示されたら、ページ上部の「リスト追加」を押下します。
ステップ6: 代行登録したい企業情報の検索
「再請負業者候補検索」ページが表示されるので、次の情報を入力して代行登録したい企業を検索します:
・法人格
・企業名
・郵便番号
・代表電話番号
上記の情報を入力した後、「次へ」ボタンを押下します。
ステップ7: 企業の登録または新規代行登録の選択
検索結果から該当する企業がリストにある場合はその企業の「登録」ボタンを、該当する企業がリストにない場合は「新規代行登録」ボタンを押下します。
ステップ8:代行申請条件の同意
代行申請の条件を注意深く読み、これに同意します。同意後、代行登録画面に進むことができます。
「登録」ボタンから進む場合・・・
既に企業名や住所などの情報がフォームに入力されています。提供されている情報に誤りがないかを確認してください。
「新規代行登録」ボタンから進む場合・・・
必要な企業情報を新たに入力します。ここで入力する情報には、企業名、住所、電話番号、法人格などが含まれることが一般的です。
これで、第1段階の作業は完了です。つぎに、覚書の締結を行う作業を進めていきましょう。
②覚書の締結を行う
ステップ1: トップページへ戻る
グリーンサイトのロゴマークをクリックしてトップページに戻ります。次に、画面左上にある「メニュー」ボタンを押下してください。
ステップ2: 代行企業管理
メニューから「代行企業管理」ボタンをクリックします。
ステップ3: 覚書の出力
代行企業一覧から、代行登録を行いたい会社名を選択します。選択後、画面下部にある「覚書出力」ボタンを押下して、必要な覚書を生成します。
ステップ4: 覚書の締結
生成した覚書には、代行登録に関する合意内容が含まれています。「代行登録を行います」「代行登録を委託します」「個人情報の取り扱いに注意し、許可された範囲を超えての利用は行いません」といった内容を両方の会社が確認し、合意に達します。この際、両社の会社印を押す必要があるので、その準備も忘れないでください。
これで、代行登録の申請が完了です。
まとめ
代行登録が無事に完了したようで良かったですね!この登録により、下請負業者のグリーンファイルの提出がずっと容易になります。代行会社としての責任を持って、期限の管理や安全書類の作成が必要ですが、それによって通常の書類作成のプロセス—下請負業者に書類を渡し、記入してもらい、チェックするという手間が省け、元請企業に対する書類の提出がより迅速かつ容易に行えるようになります。
覚書の締結とアップロードは重要な手続きなので、確実に行うことを忘れないでください。