近年IT化が進む中で、建築業界での利用が増えている「グリーンサイト」についてまとめてみた

はじめに

建設業界で働く人なら、「グリーンファイル」という言葉をよく耳にすることでしょう。また、最近は「グリーンサイト」という用語もよく聞くようになったかもしれません。しかし、これらの言葉を聞いたことはあっても、その具体的な意味を知らない人も多いと思います。今回は、グリーンサイトとは何かについて説明したいと思います。

グリーンファイルは、労務安全関連の書類のこと

初めに、グリーンファイルとは、労務安全関連の書類を指します。                                                                   これは書類のカバーが緑色であることから、この名前がつけられています。緑は、安全を象徴する色とされています。                                            具体的に、労務安全書類とは、下請け企業が作業現場に入る際に、元請け企業に提出するもので、元請けがこれを管理することで現場の安全を保ちます。作業員名簿、工事用や通勤用の車両届、火器使用届、安全衛生計画書など、建設現場での安全を確保し、作業員の生命と権利を守るために不可欠な書類群を含んでいます。

グリーンサイトとは

グリーンサイトとは、労務・安全衛生関連の書類であるグリーンファイルをクラウドで簡単に作成、提出、確認できるサービスです。                                     このサービスは、三菱商事株式会社から分社化した「株式会社MCデータプラス」が提供しています。                                                   このサービスを利用することで、グリーンファイルの作成にかかる手間や時間、紙の印刷コストを大幅に削減することが可能です。すべてウェブ上で処理できるため、特別なソフトウェアのインストールは不要で、インターネット環境があればどこからでもスマートフォンでアクセスして書類の入力や確認が行えます。

ただし、グリーンサイトは有料で、元請け会社はID利用料とプロジェクト利用料が、協力会社はID利用料が発生します。料金は登録人数やプロジェクト数に応じて異なるため、具体的な料金設定はホームページ等で確認しましょう。

グリーンサイトのメリット

ここでは、グリーンサイトのメリットについて3つ挙げていきます。

①入力の時間と手間が省ける                                                                                   最初に基本的な会社情報を入力するだけで、この情報はすべての書類に自動的に反映されるため、これまでエクセルで情報をコピー&ペーストしていた方にとってはかなりの時間と手間が省けます。        同様に、従業員の情報も一度入力すれば自動で反映されるため、手間がかかりません。

②選択式だから、簡単に操作できる                                                                                建設業界で必要な各種資格の正式名称が複雑な場合も、グリーンサイトでは資格の候補があらかじめリストアップされているので、選択するだけで済みます。PC操作が苦手な方でも簡単に扱うことができます。また、作業員名簿を作成する際も、従業員を選択するだけで資格情報が自動的に反映されるので、情報漏れの心配もありません。

③その場ですぐに修正ができる                                                                                  提出した書類に不備があった場合や元請けからの差し戻しがあっても、すぐにオンラインで確認して修正が可能です。これにより、オフィスに戻ってExcelで編集し直し、再提出する必要がなくなります。      使いこなすと、非常に便利なサービスであることがわかるでしょう。

まとめ

今回は、グリーンサイトについての説明をさせていただきました。最近ではグリーンサイトに加入する業者が増加しており、この背景には働き方改革の流れが大きく影響していると考えられます。                  グリーンファイルからグリーンサイトへの移行により、事務処理の時間短縮が可能となるため、多くの企業にとって魅力的です。建設業界においても、時代とともにIT化が進展しているので、活用できる便利なツールを積極的に使いこなしていくことが大切です。

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